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    DVD・TV鑑賞 | comments(8) | trackbacks(0) |author : J.T. | |
    ヒトラーの贋札
    ○ヒトラーの贋札(2007)/DIE FALSCHER/THE COUNTERFEITER
    ○2007年ドイツ・オーストリア/96min/公開2008.1.19(クロックワークス)
    ○ドラマ/サスペンス/戦争[◆◆◆◆◆◇]5/6
    1959年にオーストリアの湖で大量の贋ポンド札がみつかりました。これがナチスドイツがイギリスの経済を混乱に巻き込もうとした「ベルンハルト作戦」のものであることがわかり、その後色々なスパイ小説などの題材になったとのことです。
    この作品は、実際にこの贋札を強制的に作らされていたザクセン・ハウゼン強制収容所のユダヤ人の技術者達の実話をもとに映画化されたもので、この映画に登場するアドルフ・ブルガー原作の「ヒトラーの贋札 悪魔の工房」がもとになっています。
    正義のために死ぬか? 生きるためには同胞を追い詰め敵の利益になることでも行うのか? しかも敵のために勤めたとしても最後はほぼ間違いなく殺されてしまうとしたらどんな選択をするのか? 厳しいですねこの選択は。でもこの見方は後世にこの作品を冷静に見ることのできる製作者・観客の視点のような気もします。私ならこの作品のような現実に投げ込まれたら、なりふり構わずその中で必死に生きてゆくか、精神的に耐えられず絶望して自暴自棄になるのかのどちらかで、果たして正義とか不正義とか考えられるか自信がありません。
    映画の主役は原作者のブルガーではなく、ユダヤ人の贋札作りのサリーことサロモン・ソロヴィッチ。彼は収容所に入ってから自分の絵の才能を生かしてなんとかドイツ兵に取り入り生き延びますが、しばらくしてザクセン・ハウゼン強制収容所に移送され贋札づくりを強要されます。その中で冒頭のような状況に遭遇し、自分が生き延びることで精一杯だった彼が贋札作りのユダヤ人の責任者として、自分・仲間・敵国の利益とのはざ間で苦悩することになります。


    映画では、原作者ブルガーがサボタージュをして贋ドル札製造を遅らせたことになっていますが、彼の役をやったアウグスト・ディールのインタビュー記事によれば実際はサボタージュはしていない そうです。このあたりはフィクションのようで、脚本・監督のステファン・ルツォヴィツキーが、贋札を作らされている集団の命を守るか正義のためにリスクを犯すのか観客に考えて欲しくて取り入れたのかもしれません。サスペンス的要素は加味されたでしょうが、そういったフィクションが良かったかどうかは疑問です。あくまでも後世の主観を排除して事実に基づいて欲しかったというのが私の正直な気持ちです。

    先日「世界報道写真展 world press photo 08」をみて来ましたが、リアルタイムで世界のあちこちで火種は絶えてないことを改めて知らされました。こういう悲惨な現実が日常茶飯事に起きてると、感覚が麻痺してしまいそうなのが恐ろしいのですが、時々こうして自分を刺激しないといけませんね。でも、本当はなぜそんなことが起こってしまうかということを考えるのが大切なのですけど…
    欧米各国がドイツや旧ユーゴに限らず、最近アフリカを中心にこのような作品を盛んに作っていますが、これが興行や人道主義のためだけでなく、彼らが数百年にまたがってアメリカ大陸・アジア・アフリア・中東に蒔いてしまった種であり自己反省の意味も含めた義務だと思ってくれれば良いのですが…それは期待しすぎでしょうかね。

    監督: ステファン・ルツォヴィツキー
    原作: アドルフ・ブルガー『ヒトラーの贋札 悪魔の工房』
    脚本: ステファン・ルツォヴィツキー
    出演: カール・マルコヴィクス(サロモン・ソロヴィッチ<サリー>)
       アウグスト・ディール (アドルフ・ブルガー)
       デーヴィト・シュトリーゾフ (フリードリヒ・ヘルツォーク)
       マリー・ボイマー (アグライア)
       ドロレス・チャップリン (カジノの令嬢)
       アウグスト・ツィルナー
        マルティン・ブラムバッハ

    オフィシャル・サイト
    JUGEMテーマ:映画


    | DVD・TV鑑賞 | 17:28 | comments(8) | trackbacks(0) | |
    DVD・TV鑑賞 | comments(0) | trackbacks(0) |author : J.T. | |
    ぼくの伯父さんの休暇
    ○ぼくの伯父さんの休暇/[仏]LES VACANCES DE MONSIEUR HULOT
    ○ [米]MR. HULOT'S HOLIDAY/ [英]MONSIEUR HULOT'S HOLIDAY
    ○1952年フランス/87mon/公開1963.8ヘラルド/コメディ[名作]

    前回に続いてジャック・タチの作品です。
    カラー作品「ぼくの伯父さん」の続編だと思ってみたら映像が白黒なので改めて調べてみたら、原題は「ムッシュユロの休暇」。邦題に「ぼくの…」とついてるのは、日本では前回レビューを書いた「ぼくの伯父さん1958」が先に公開されたからとのこと。1952年の作品だから、この「ぼくの伯父さんの休暇」のほうが6年も前につくられた作品なのです。ユロ初登場で”ぼく”がまだ存在しないのに不思議な邦題ではあります(笑)。

    ともあれ、この作品をみて最初に思ったのは、これはまさにピーターセラーズのノリだ〜と感じたこと。もちろんセラーズはこの作品のあとに活躍するので、タチがオリジナルです。ユロはいたって真面目で誠実なキャラクターで、それが滑稽さを生み出すという面白さなのですが、その表現方法がセラーズ的表現に繋がっているような気がします。
    それと、自動車が動かなくなって牽引用のロープに足をかけた瞬間、牽引する車が動いてピンと張ったロープに飛ばされて海に放り込まれるところなど、映画でしか実現できない計算された面白さが随所にみられるのは、チャップリンの完ぺき主義の映画作りを彷彿とさせてくれて、何度もテイクを重ねているんだろうなぁというシーンが結構あったのが印象的です。


    言語が沢山あったヨーロッパの大道芸人が言葉を越えた笑いをとるために作り上げてきたのがパントマイムだそうです。映画を作る前はパントマイムで人気を博してきたジャック・タチ。この作品ではストーリーを語るより、この時代のバカンスで起こる出来事やバカンスでも仕事から抜けきれない人を軽いタッチのコメディで風刺してるようです。ヨーロッパのコメディアンの伝統を受け継いでたからなのでしょうか、それとも作品が古臭くならないようになるべく時代を超えた笑いを求めたらからなのでしょうか、映画でしかできない体を使ったコメディを目指したような印象を受けます。ちょっとヨーロッパのコメディアンの歴史も調べてみたくなりました。
    DVDには特典映像(ジャックタチストーリー)が付いているのですが、1977年セザール賞のスピーチで短編映画の支持を訴えてました。「短編映画がなければ、チャップリン、キートン、フェリーニ、クレイマンも世に出なかった。是非短編映画を賞してほしい」と言ってたのが印象的です。
    監督: ジャック・タチ
    脚本: ジャック・タチ
       アンリ・マルケ
    撮影: ジャン・ムーセル
       ジャック・メルカントン
    出演: ジャック・タチ
       ナタリー・パスコー
       アンドレ・デュボワ
       ヴァランティーヌ・カマクス
    JUGEMテーマ:映画


    | DVD・TV鑑賞 | 23:13 | comments(0) | trackbacks(0) | |
    DVD・TV鑑賞 | comments(2) | trackbacks(0) |author : J.T. | |
    ぼくの伯父さん
    ○ぼくの伯父さん(1958フランス・イタリア)/MON ONCLE
    ○120min/公開1958.12(新外映)/[名作]
    ○カンヌ審査員特別賞/アカデミー外国語映画賞
    始まりが面白い。工事現場のパネルに模したクレジット。そしてパリの街に戯れ自由に振舞う犬達、犬の中に一匹だけ洋服を着せられた犬がいるのだけれど、それがまさに”ぼく”ことジェラールの象徴。無機質な箱こと”モダンな家”に押し込まれた少年が下町の子供達と戯れる姿を反映しているんです。

    この映画は、近代化に踊らされるブルジョアの無機質な生活と表面的な社交関係を、”伯父さん”ことユロ(ジャック・タチ)を通して描かれる下町の生き生きとした生活を通して風刺している作品なんです。特に誰に視点をあてるでもなく下町の風景を延々と描いてるところもあって、説明的な画像になれてしまった私には多少退屈気味なところもありましたが、ちょっとした触れ合いにコメディタッチなところがあったりしてクスクスっと暖かい気持ちで笑えるシーンが多いのは確かです。

    なんといっても面白いのが伯父さんことユロの住むアパート。右のポスターにも描かれていますが、これが最上階のユロの部屋までにゆくのになんとも無駄な動きをするわけですが、この無駄さがとっても良い!こんなアパートに住みたいものです(笑)こんな風刺の効いた作品ですが、ユロは下町と対照的に描かれているブルジョアの家に嫁いだ妹の亭主の会社に勤めることになり、その職場での失敗から地方へ転勤させられます。伯父さんを慕っている息子ジェラールからユロを引き離したいというジェラールの父親の画策でもあるのですが、必ずしも悲劇的な結末ではありません。ユロを送り出す時、ジェラールと父親が偶然にもあるいたずらの共犯者になり二人の距離が縮まって終わるからです。無声映画的手法を取ってるのも、文化や時代を超越したギャグで笑わせたいというタチの思惑なのでしょうし、クローズアップが無いのもこの映画の特徴で、人々の絡みが生み出す面白さの演出かもしれません。

    それにしても近代建築の象徴として描かれている白を基調としたモダン建築やデザイン、幾何学的な庭、使えない家具は当時のモダニズムの象徴なのでしょうか。キッチンにはなんと丸型の蛍光灯(サークライン)がありましたが、これには驚きました。日本では「十戒」が外国映画の興行成績トップだった年、日本映画では「楢山節考」や「隠し砦の三悪人」が評価された年でもある1958年の作。そして「ぼくの大切なともだち」のコメントでBLOG仲間のCCさんに紹介頂いた作品です。
    監督: ジャック・タチ
    脚本: ジャック・タチ
       ジャック・ラグランジュ
    台詞: ジャック・タチ
    撮影: ジャン・ブールゴワン
    音楽: アラン・ロマン
       フランク・バルチェッリーニ
    出演: ジャック・タチ
       アラン・ベクール
       ジャン=ピエール・ゾラ
       ドミニク・マリ
       アドリアンヌ・セルヴァンティ
    JUGEMテーマ:映画


    | DVD・TV鑑賞 | 18:04 | comments(2) | trackbacks(0) | |
    DVD・TV鑑賞 | comments(6) | trackbacks(0) |author : J.T. | |
    ゲゲゲの鬼太郎
    ○ゲゲゲの鬼太郎/2007年日本/103min
    ○2007.4.28/公開(松竹) /ファミリー・アドベンチャー・ホラー


    いやいや、なぜ「ゲゲゲの鬼太郎」かというと、ズバリ大泉洋の”ねずみ男”に大うけしたからであります(笑)たまたま放送していたのを見たのですが、大泉洋はうまいですねー
    TVドラマ「ハケンの品格(2006)」で篠原涼子(大前春子)の派遣先の東海林課長(だったかな)、TVドラマ「暴れん坊ママ(2007)」の上戸彩の夫役、映画「シムソンズ (2006)」でのカーリングの監督役の彼はどれも面白かったですが、意外なところでまた出くわしました。
    映画「ゲゲゲの鬼太郎」自体は、本来鬼太郎に託した水木しげる先生のメッセージのエキスは多少入ってるものの、どちらかと言うとそれはまあ置いておいてという言う感じのファミリー映画です。ただし、旬な俳優や実力派コメディアンを揃え、アメリカのファンタジー映画、SF映画の要素を上手く取り入れた全体的にはコメディタッチのつくりの作品で、そこそこまとまってはいます。カッパポリスはプレデターみたいでしたが(笑)そんななかで、このねずみ男は逸品。あのひょうひょうとした彼の感じがピッタリのはまり役でした。
    監督: 本木克英
    原作: 水木しげる
    出演: ウエンツ瑛士 ゲゲゲの鬼太郎
       大泉洋 ねずみ男
    JUGEMテーマ:映画


    | DVD・TV鑑賞 | 23:31 | comments(6) | trackbacks(0) | |
    DVD・TV鑑賞 | comments(6) | trackbacks(0) |author : J.T. | |
    ガーダ パレスチナの詩
    ○ガーダ パレスチナの詩/2005年/日本/GHADA SONG OF PALESTINE
    ○106min/2006.05.20公開(バイオタイド)/ドキュメンタリー
    イントロダクション[引用allcinema解説]
    パレスチナを中心に、世界各地の紛争地域で女性や子どもたちに焦点を当てた取材活動を続ける女性ジャーナリスト、古居みずえが監督を務めたドキュメンタリー。ガザ地区の難民キャンプで生まれ育った一人のパレスチナ人女性ガーダにカメラを向け、封建的な男社会の中で自立した女性としての生き方を貫く生き様と、故郷を奪われたパレスチナ人の体験を年長の女性たちから聞き集めるジャーナリストとしての活動を見つめる。

    「以前にも、トルコ、イギリスに占領されたが、イスラエルほどひどい仕打ちはされなかった。」という、ガーダの祖母のことばが印象的でした。この映画の監督、日本人ジャーナリスト古居みずえに、ジャーナリズムの大切さを教えられ影響を受けたガーダは、1948年のイスラエル建国によって故郷を奪われた祖母の世代の女性や、リアルタイムで家を破壊され土地を奪われたパレスチナ人を取材し、パレスチナ人のアイディンティテイを著書とすべく活動することになります。

    このドキュメンタリーを通して見えるのは「ガザ地区」での生活が、まさに戦地の中で展開されているということです。昼夜繰り返される射撃で、通りを横切ることさえできない様子には唖然とさせられますし、ある日突然にプルトーザがきて家と農園を根こそぎ破壊され途方にくれる老婦人(100歳のハリーマ)は、頼みの息子の家も同じような境遇にあい失意の中でこの世を去ります。
     
    古居に影響を受けながらも、直接的にはインティファーダに参画した姪っ子を襲った惨劇がガーダを目覚めさせます。”戦前”のパレスチナ人の生活を書き留めることで、本来の自分達を再認識し、アイデンティティを築こうとするが彼女の”闘い”であり、祖母にとっては故郷の唄や昔の生活を話すことが”闘い”、戦地の中であっても自らの土地で生活することが隣人の”闘い”だとガーダは言います。
    しかし、この作品をみればパレスチナ人が特別な人々ではなく、本来は平和を愛する素朴な民であることがよくわかると思います。映画のタイトルにあるように”パレスチナの詩”はとても人間性豊かで愛に溢れたものばかりなのはその証でしょう。

    我々には、どうしてもアメリカ中心そしてユダヤ人の視点によるイスラエルの報道や映画などの情報が飛び込んできますが、このドキュメンタリーをみると、紛争というのは両方の立場からみないといけない事を改めて痛感させられます。
    監督の古居さんはフォトジャーナリスト。最初のインティファーダ(1987年、彼女は1948年生まれで当時40歳)の時から生活を共にし、取材を開始しますが、それ以外にもボスニア・ヘルチェゴビナ、ウガンダ、アフガニスタンなど、イスラム圏の女性達・子供達の現状を取材しているとのことです。
    オフィシャル・サイト
    ガザ地区MAPパレスチナ情報センターより

    古居みずえHP
    JVJA
    監督: 古居みずえ 製作: 安岡卓治 野中章弘 撮影: 古居みずえ 編集: 安岡卓治 辻井潔 編集協力: 小西晴子 松林要樹 木村茂之
    JUGEMテーマ:映画


    | DVD・TV鑑賞 | 21:43 | comments(6) | trackbacks(0) | |
    DVD・TV鑑賞 | comments(10) | trackbacks(0) |author : J.T. | |
    サン・ジャックへの道
    ○サン・ジャックへの道/SAINT-JACQUES... LA MECQUE
    ○2005年フランス/112min/コメディ・ドラマ [◆◆◆◆◆◇]5/6
    ○2007/03/10公開(クレストインターナショナル)
    <あらすじ…公式HPより>
    聖地サンティアゴ(サン・ジャック)まで、1500kmもの巡礼路を一緒に歩くこと…。それが遺産相続の条件と知らされて、無神論者の上に歩くことなど大嫌い、仲も険悪な3兄弟が、物欲の炎を燃やしつつ遥かなる旅路の第一歩を踏み出した。2ヶ月余りの長旅の連れとなるのは、母親のためにイスラムのメッカへ行くと思い込んでいるアラブ系少年やワケありな女性など。それぞれの事情を背負って歩き始めた彼らを待っているものは…?

    いやー無知ですねー。こんな巡礼の道があるとは知りませんでした。世界遺産になっているとのことですが、道を中心とした世界遺産があるというのはヨーロッパらしいです。

    スペインの西のはずれにあるサンティアゴ・デ・コンポステラ。この都市にキリストの十二使徒のひとり聖ヤコブ(スペイン語でサンティアゴ、フランス語でサンジャック)の墓が発見(9世紀初)されてから、エルサレム、ローマと並ぶキリスト教の3大聖地になったそうで、今でもキリスト教徒が巡礼しているとのこと。

    と、まあ自分の無知さを補ったところで感想ですが…、

    とにかく集団で徒歩の旅をするのは結構大変なものです。きつくなってくると、仮面がはがれて人柄がでてきますからね。この映画のように2ヶ月というのは経験がありませんが、2週間ほどの旅を経験したことがあります。自分のペースを崩さないように自分中心になるひと、あるときまで陽気だったのに、急に泣き出して座り込んでしまい、帰りたいと訴えるひと、進んで他人の荷物を持ってあげたり励ましたりして面倒見のよいひとなどさまざま。歩き疲れて妙にハイテンションになってしまったり、自然の姿に大感激したり、なんとも言えない恐怖の感覚に襲われたりもします。しかし、なんといっても同じ苦境をのりこえたという一体感ができるんですね。

    この映画でも、中の悪い3人兄弟、文字の読めない青年と教師、病後の婦人の恋、つき合うきっかけができない青年と少女というような関係と、ひとりひとりが持ってる問題が浮き彫りになりますが、紆余曲折しながらも大自然の中を歩く旅の中で、少しずつネジレが解けてゆきます。もちろん、こんな旅をしてもまったく変わらないひともいるわけで、その辺りがリアリティがあって面白いと思いますし、描き方も、人間関係をコメディタッチで、個々の心の問題はシュールな夢で表現してるのがうまい。

    巡礼コースの大自然を楽しみながら、重すぎずいやみのないコメディと、自然と相対的なシュールな世界といった組み合わせは、見ていて飽きることもなく、笑いながら大切なものを実感できるような作品といえるかもしれません。


    監督: コリーヌ・セロー
    脚本: コリーヌ・セロー
    出演: ミュリエル・ロバン 長女クララ
       アルチュス・ドゥ・パンゲルン 長男ピエール
       ジャン=ピエール・ダルッサン 次男クロード
       マリー・ビュネル マチルド
       パスカル・レジティミュス
       エメン・サイディ
       ニコラ・カザレ
       マリー・クレメール
       フロール・ヴァニエ=モロー
    JUGEMテーマ:映画


    | DVD・TV鑑賞 | 22:20 | comments(10) | trackbacks(0) | |
    DVD・TV鑑賞 | comments(4) | trackbacks(0) |author : J.T. | |
    約束の旅路
    ○約束の旅路/2005年フランス/149min[◆◆◆◆◆◇]5/6
    ○VA, VIS ET DEVIENS/GO, SEE, AND BECOME/LIVE AND BECOME
    ○ドラマ/公開2007.03.10 (カフェグルーヴ=ムヴィオラ)
    1984年、難民となり、家族を失い母ひとり子ひとりとなったエチオピア人の少年。いわゆるイスラエルの「モーセ作戦」で、エチオピアのユダヤ人をイスラエルに移送することを知り、少年の母親は永遠の別れになると知りつつもキリスト教の息子をユダヤ人と偽って見知らぬ国へ送り出します。次々と病気や争いごとで亡くなる希望のない難民キャンプでは、子供を生かすにはそれしかないと悟ったから。少年は、イスラエルの地で、新しくシュロモというユダヤ名を与えられ、その地で生きる道は与えられますが、苦難の人生を歩み始めることになります。

    「行け、生きろ、(何かに)生まれ変われ」というのが原題の意味であるように、彼自身がかつて土地を失ったユダヤ人のように根無し草であり、偏見と反感の中に埋もれてしまうのか、新たな道を見出して自分の人生を掴んでゆけるのか、生きることの過酷さとそれを乗り越える強さを教えてくれる作品といえるかもしれません。

    フィクションでありながらも、ファラシャ(エチオピア系ユダヤ人)の実態を知ったラデュ・ミヘイレアニュ監督が、エチオピアのユダヤ人のことやモーセ作戦のことを綿密に取材し組上げたこの作品には説得力があります。監督自身もフランスとルーマニアという2つのアイデンティティのはざ間に立ち、どこにいても”よそもの”という感は拭えなかったとのこと。そんな経験がこの作品に大きくインスピレーションを与えてくれてるのだと思います。

    それともうひとついえることは、当時のイスラエルがどんな感じなのか、うかがい知れるというところでしょう(現在の様相は良くわかりませんが)。シュロモが厄介ごとを起こして警察が介入すると、子供だから許してくれとか俺の息子だとかいって必死に彼をかばっていたあたりは、警察国家ではと思わせる節がありますし、ユダヤ人(アシュケナジ・セファラディ・ミズラヒムほか、そしてファラシャ)の人種主義的対立では、クシームというヘブライ語でニガーを意味する蔑称が飛び出します。シュロモの妻となるサラが家族から縁を切られたのは、単なる蔑視ではなく、人種的な格が落ちることからくる一族への影響が大きいからなのかな?とも思えました。良く知られてはいますがギブツ(イスラエル独自の社会主義共同体)というマルクス主義的な機構も出てきます。

    俳優陣ですが、少年時代のシュロモを演じたモシェ・アガザイ、そしてなんといっても彼の義母ヤエルを演じたヤエル・アベカシスの演技が映画に説得力を持たせたと思います。そして彼の人生の師たちとも言えるエチオピア人を演じた俳優たちも。

    この映画の製作国はフランスですが、ヤエル・アベカシスというイスラエルの女優は、フランスやイタリアで活躍してるそうです。現在は政治的なかかわりが少ない(のかな?)フランスだから、映画みたいな文化的な面では協力しえるのでしょうか?(このあたりは詳しい人に是非コメント頂きたい感じです)

    「約束の旅路」とはなんとも上手い邦題ですが、イスラエスに向かい旅立つエチオピアのユダヤ人が、希望に燃えたキラキラした目をしていたのはなんとも皮肉な感じです。聖地というよりは、肉体的にも精神的にも戦地のような運命が待ち構えていたのですからね。
    オフィシャルサイト
    監督: ラデュ・ミヘイレアニュ
    原案: ラデュ・ミヘイレアニュ
    脚本: アラン=ミシェル・ブラン
       ラデュ・ミヘイレアニュ
    出演: ヤエル・アベカシス 義母ヤエル
       ロシュディ・ゼム 義父ヨラム
       モシェ・アガザイ シュロモ(幼年時代)
       モシェ・アベベ シュロモ(少年時代)
       シラク・M・サバハ シュロモ(青年時代)
    JUGEMテーマ:映画


    | DVD・TV鑑賞 | 22:10 | comments(4) | trackbacks(0) | |
    DVD・TV鑑賞 | comments(4) | trackbacks(0) |author : J.T. | |
    シッコ
    ○シッコ/2007年アメリカ/SICKO
    ○123分/2007年8月25日公開(ギャガコミュニケーションズ=博報堂DYメディアパートナーズ)
    ○ドキュメンタリー[◆◆◆◆◆◇]5/6
    アメリカの医療制度の惨状を訴える作品ですが、うまい作り方だと思います。アメリカの保険会社や医療施設での非人道的な扱い、皆保険制度のカナダ・イギリス・フランスとの制度の比較、そして最後に9.11の救助活動で健康を害した人々が国内で思うにできない治療を、アメリカの仮想敵国であるキューバの病院で、なんなく、しかも無料でできることを実証します。

    アメリカの医療ドラマなど通して断片的に伝わってはいましたが、病める国アメリカの一面がまた世界に露出されたといってよいのかもしれませんね。アル・ゴアの「不都合な真実」でも話題になった環境政策しかり、アメリカがテロの標的になる遠因しかり、私の目にも傲慢な国、拝金主義国家に見えてしまう。つまらなくなりつつあるハリウッド映画も、売れることだけが目的とされ、使い捨てエンタメ映画が多産されてしまっている結果では?とさえ疑ってしまいます。
     
    国家が医療制度の骨格となることを、社会主義の侵入と結びつけてしまうあたりは、どこかの国が統制らしき法律をなんでも国体と結びつけてしまうような安直な批判と似てるような気がしますが、あれがアメリカの気分なんでしょう。映画の中でフランスの元議員の方が話していましたが、国民が国を恐れるか、国が国民を恐れるのか によって国のありかたが違うと。アメリカは間違いなく前者の国。後者の国のフランス・イギリスなどは国民を恐れれて国民へのサービスを怠らない。はたして我が身を振り返ったとき、どちらなのかと考え込んでしまいます。

    アメリカの医療制度全体を語ってるわけではないし、引き合いにだされたカナダ・イギリス・フランス・キューバの制度全体が語られてるわけではないのですが、まあひいき目にみてもアメリカの惨状であることには間違いないのでしょう。別な意味で、ネジレ現象を起こしている日本の医療の現場も制度も危機に瀕してるような気もします。是非、多くの日本人にもみて頂いて、主体的に考えるきっかけになればよいのですが。
    監督: マイケル・ムーア 
    製作: メーガン・オハラ 
         マイケル・ムーア 
    製作総指揮: キャスリーン・グリン 
             ボブ・ワインスタイン 
             ハーヴェイ・ワインスタイン 
    脚本: マイケル・ムーア 
    撮影: クリストフ・ヴィット 
    編集: クリストファー・スウォード 
         ダン・スウィエトリク 
         ジェフリー・リッチマン 
     出演: マイケル・ムーア 
     公式HP
    http://sicko.gyao.jp/
    http://www.sicko-themovie.com/  
    JUGEMテーマ:映画
    | DVD・TV鑑賞 | 22:54 | comments(4) | trackbacks(0) | |
    DVD・TV鑑賞 | comments(2) | trackbacks(0) |author : J.T. | |
    サパテアードは止まらない
    ○ハイビジョン特集(NHKBS)
    ○3月23日(日)午後7:00〜8:30
    ○サパテアードは止まらない 〜スペインの至宝アントニオ・マルケス
    ハードワークと言うほどではないのですが、帰宅するとグッタリという日が続き、ついに風邪でダウン。そんな時にエネルギーのかたまりのようなアントニオ・マルケス(Antonio Márquez)のドキュメンタリーをみる。とにかくスペインのエクセーラ・ボレーラという古典舞踊、フラメンコ、民族舞踊まで、スペイン舞踊を全て踊れるだけでも稀有な存在らしいのですが、それにもましてその情熱的な踊りが人を魅了しているようです。実際に、サパテアード(靴音)のテクニックは素晴らしく、微かに響く(小さい音だけどとても心地よい)トレモロ、そして突如激しくなるフォルティシモのサパテアードの映像をじっくりみせてくれるのですが、目の当たりにすると凄いとしかいいようがないのは確か。1秒間に10回も、しかも正確なリズムで床に靴を打ち付けてるのには驚かされます。

     スペインのマドリッドの郊外に住み、自身が率いる18歳から34歳の20人のマルケス舞踊団の基礎レッスンは、10時から15時までの5時間のレッスンで、若い団員のほうが44歳のマルケスについてゆくのが大変だというのだからそのスタミナは半端じゃない。練習が終わる頃にはレッスン所の鏡が熱気で曇ってしまっているのですから、その運動量の多さが伺われるでしょう。彼の舞踊団に入団テストはなく、過酷なレッスンについてこられた人だけが残れるというサバイバル軍団。
    マルケスは1963年セビリアの生まれで、9歳の時好きな女の子に誘われバレエを習い始め、スペイン国立バレエ団でプロの道に進み、22歳でソリストになります。とにかく踊りが第一で、踊りのために人生を犠牲にしなければならない、踊りのためなら死んでもよいと言い切っているのですから半端じゃありません。

     このドキュメンタリーでは、そんなマルケスが、グランアントニオと呼ばれているスペインの伝説的舞踏家の生涯を描く新作に挑み、その第1回目の公演のようすまでを描いています。公演の主演はもちろん、構成、演出、振付全てを彼自身が行っています。彼の衣装を作る舞台衣装屋では、着ていることを感じさせない服を作るはなし、フラメンコシューズ店では、200本もの釘を手打ちで打つことによって澄んだ音がでるはなしなども盛り込まれ、公演直前まで、照明や演出にエネルギッシュに打ち込むの彼の様子が描かれています。
    過去、日本公演も行ってますからご覧になった方もいるかもしれませんが…、TVドキュメンタリーなのでお薦めしても観られないかも知れませんが再放送などあれば是非ご覧ください。とにかく、ほとばしるような情熱溢れる彼をみて、少しシャキッとなったかも。といいつつ、大きなクシャミをしながらキーボードを打ってる自分です(笑)
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    DVD・TV鑑賞 | comments(6) | trackbacks(0) |author : J.T. | |
    炎のジプシー・ブラス 地図にない村から
    ○炎のジプシー・ブラス 地図にない村から
    ○BRASS ON FIRE/2002ドイツ/98min/公開2004.07.03(プランクトン)
    ○ドキュメンタリー/音楽[◆◆◆◆◆◆]6/6
    以前記事にしたドキュメンタリー映画「ジプシー・キャラバン」のバンドのひとつ、ファンファーレ・チョカリーア(Fanfare Ciocarlia)のドキュメンタリー。ルーマニアのジプシーブラスバンドで、1996年モルドヴァ地方を旅していたドイツ人のヘンリー・エルンスト(後に彼らのマネージャになる)に見出され、世界でライブ活動をすることになります。
    彼らの村は電車も止まらないので、カーブで速度が遅くなったら飛び降りるというなんともすごいところ。映画にも出てきますが、ツアーの成功でメンバーは家を建てたり、ジプシー初の教会を建てていますが、人口約400人で通り1本、公衆電話1台だけ、ほんと小さい村ですが、男性の85%がブラス演奏家というまさに音楽の村です。映画は、彼らの村での生活とドイツ・イタリア・日本でのライブ映像を交えて構成されています。

    「ジプシー・キャラバン」の紹介でも話しましたが、とにかく”熱い”人々です。日本人とは全く違う感性と情熱をもった人々で、音楽はビジネスでありながら生活でもあるんです。彼らのブラスを聞いてると自然と体が動いてしまうから不思議です。ライブでも踊ってる人も多くてクラブのよう。彼らに魅了されたマネージャーのヘンリーとヘルムートは彼らと一体化し、ダンサーのアウレリア、タンチカと結婚しています。
    ドイツ人の監督ラルフ・マルシャレックいわく、”ファタリズム(運命主義)の彼らは、運命は自分の手中にはなく、コントロールできるものではない。つねに奪われてしまうものだという考え方、感覚があるから、自由奔放で大きな人生の楽しみもある。”とのこと。それが毎日を精一杯生きることに繋がるんでしょうね。とにかく(ジプシー風にいうと)理屈じゃなく、ブラス10名とパーカッション2名の音楽はホット!です。今年の10月に来日するらしいですが、機会があれば是非観てみたいバンドです。
    監督: ラルフ・マルシャレック
    脚本: ラルフ・マルシャレック
    音楽: ファンファーレ・チォカリーア
    出演: ファンファーレ・チォカリーア

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